甘すぎです。
あんこには、大量の砂糖が使われています。
伝統的なあんこには、小豆(あずき)と同じくらい、砂糖が使われているんだとか…。
目次
1. あんこって何だ?
「あんこ」(餡子|餡、あん)とは、肉類、豆類、芋類など、
広くは、食べ物の中に入れる具のことを意味します。
中国では、「肉類」、
日本では、小豆(あずき)や隠元豆(いんげんまめ)などの「豆類」を用いることが多く、
さつま芋やジャガ芋などの「芋類」、
栗、かぼちゃ、百合根(ゆりね)などを、用いることもあります。
煮て、
塩や砂糖を、入れ、
さらに加熱して、練って、
食べ物に、入れたり、
食べ物を、包んだり、
食べ物に、まぶしたり…
英語圏では、
- 「bean paste」(豆をすりつぶしたもの)
- 「bean jam」(豆のジャム)
なんて呼ばれているそうです。
2. あんこの歴史
あんこは、
聖徳太子の時代に、中国から伝来したとされ、
中国菓子で用いられる「肉あん」が、その原形となっていると考えられています。
平安時代の、唐菓子の一種「団喜」(だんき|団子〈だんご〉とよく似たもの)の中身は、まさに、あんこの祖型であり、
鎌倉時代に、小豆(あずき)を用いた「小豆あん」が生まれました。
日本で、あんこが、本格的に用いられるようになったのは、
1350年、中国から、林浄因(りんじょういん)が来日し、
後村上(ごむらかみ)天皇に、「饅頭」(まんじゅう)を献上したことに始まると言われています。
初めは、塩で味付けした「塩あん」でしたが、
室町時代から、砂糖の輸入に伴って、砂糖を使った甘味のものが現れ、
江戸時代になって、砂糖の国内生産が拡大するに連れて、「砂糖あん」が主流となりました。
1603年に、長崎で出版された『日葡辞書』(にっぽじしょ|日本語ポルトガル語辞書)には、
「餅(もち)または饅頭(まんじゅう)の詰物」と記されています。
1615年に、刊行された『字彙』(じい|中国の字書)には、
「餅(もち)の中の肉あん」と記されているそうです。
3. あんこの種類
目次
①原料
- 小豆(あずき)、赤隠元豆(あかいんげんまめ)など、赤い豆を原料とする「赤あん」
- 白小豆(しろあずき)、白隠元豆(しろいんげんまめ)など、白い豆を原料とする「白あん」
- 青豌豆(あおえんどう、グリーンピース)を原料とする「うぐいすあん」
- 枝豆(えだまめ)、空豆(そらまめ)を原料とする「ずんだ」
- 緑豆(りょくとう)を原料とする「緑豆あん」
②形、皮
- 豆の形を残した「粒あん」
- 豆の形をくずした「くずしあん」
- 皮を取り除いた「こしあん」
- 粒あん + くずしあん or こしあん = 「小倉あん」(おぐらあん)
③味付け
- 塩で味付けした「塩あん」
- 砂糖で味付けした「砂糖あん」
④その他
- 卵黄を加えた「黄身あん」
- 抹茶を加えた「抹茶あん」
- 胡麻を加えた「ごまあん」
- 味噌を加えた「みそあん」
- 柚子を加えた「ゆずあん」
- 桜の葉を刻んだものを加えた「さくらあん」
- 白あんをベースに、食紅(しょくべに)を加えた「紅あん」(べにあん)
- こしあんに、米粉を加えて、そぼろ状に仕上げた「村雨あん」(むらさめあん)
などなど
☆あんこの芸術、練り切り
「白あん」などをベースに、
- 山芋(やまいも)または長芋(ながいも)と、砂糖、あるいは、
- 求肥(ぎゅうひ|牛皮、牛肥|白玉粉または餅粉に、砂糖や水飴を加えて、練り上げたもの)、
- 微塵粉(みじんこ|もち米を、蒸して、乾燥させ、ひいて、粉にしたもの)、
を加え、
煮立たないように、練りに練り上げ、
しっとりとした肌合いや、強靭(きょうじん)な腰を作ります。
練り上げた素材「練り切りあん」を、
- 食紅(しょくべに)やクチナシなどの食用色素で、彩色し、
- 手や、へら、鋏(はさみ)で、細工し、
様々な色、形に仕上げます。
こうして完成した、芸術の練り菓子は、茶道の主菓子にも供され、
上等の生菓子「上生菓子」「上生」(じょうなま)、なんて呼ばれることもあるそうです。
抹茶と一緒に贅沢してみたいですね♪
コメント
読んでいて何かホッとします。絵も暖かみがあって和みます。しっかりと時間をかけて調べた感じもあり安心して参考に出来ます