納得できません。
「胎児のしゃっくりは、口や鼻から、羊水のごみを、排出するためだ」
「大人のしゃっくりは、胎児の機能からだ」
…と、主張する専門家がいますが、納得できません。
目次
1. しゃっくりの仕組み
2. しゃっくりの原因
3. しゃっくりの止め方
1. しゃっくりの仕組み
「延髄」「延髄中部の横断面」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%B6%E9%AB%84)
「しゃっくり」(しゃくり、さくり|吃逆、きつぎゃく|hiccup、hiccough、ヒカップ)とは、
横隔膜(おうかくまく)などの、呼吸を行う筋肉「呼吸筋」(こきゅうきん)の、痙攣(けいれん)・発作(ほっさ)によって、
自分の意志とは無関係に、急に、息を吸い込み、
同時に、声門(せいもん)が、すばやく、閉じるので、
吸気の流れが妨げられ、「ヒック!」と、奇妙な声が出てしまう、
不思議な呼吸運動のことです。
しゃっくりは、
①1回、2回と、単発的に、起こる場合と、
②規則性をもって、連続的に、繰り返される場合があります。
・直接の刺激が原因となって起こる場合
「直接の刺激 → 呼吸筋の痙攣・発作 → しゃっくり」
・脳の「延髄」(えんずい)、呼吸と循環の中枢「網様体」(もうようたい)、「呼吸中枢」(こきゅうちゅうすう)の異常による場合
「呼吸中枢の異常 → 呼吸筋の痙攣・発作 → しゃっくり」
しゃっくりは、突然、起こりますし、
たいていは、短時間で、おさまりますので、
その研究をすることは、難しく、
その仕組みは、未だに不鮮明な部分が多いです。
2. しゃっくりの原因
しゃっくりは、
- ストレス、びっくり、
- 一気飲み、早食い、
- 飲み過ぎ、食べ過ぎ、
- 冷たいもの、熱いもの、刺激物の飲食、
- 喫煙、
- 食べものが、のどに詰まったり、
- むせたり、せき込んだり、
- 激しく笑ったり、話したり、
- 過呼吸になるなど、
何らかの刺激や、血液中の二酸化炭素の濃度が低下することによって、起こります。
特に、胃や腸には、きめ細かい神経が、非常に多く分布していますので、
暴飲暴食や、急激な温度変化によって、胃や腸を刺激すると、しゃっくりが起きやすい、と言われています。
(加えて、私の経験上ですが、疲れたときに出やすいように感じます)
- アルコール中毒、脳腫瘍(のうしゅよう)などの「脳の障害」、
- 横隔膜などの「呼吸筋」、肺や気管などの「呼吸器」(こきゅうき)の障害、
- 胃腸などの「消化管」(しょうかかん|食べ物を消化する一本の管〈くだ〉)の障害、
- 血液中のブドウ糖の濃度が高まる「糖尿病」(とうにょうびょう)、
- 尿成分などが血液中に蓄積される「尿毒症」(にょうどくしょう)、
といった、呼吸中枢、呼吸筋・呼吸器、消化管、血液に関する病気が原因で、起こることもあります。
しゃっくりの世界記録
屠畜(とちく|家畜を、食用目的で殺すこと)前の豚を、計量していたときに始まり、
68年間、毎分20~40回のペースで、しゃっくりを続けた(1922~1990年)、
アメリカのチャールズ・オズボーンさん(1894~1991年)。
「最も長く、しゃっくりを続けた人物」として、ギネス世界記録に認定されています。
亡くなる1年前に、ようやく、おさまったそうです。
3. しゃっくりの止め方
しゃっくりは、
短期間で、自然に、止まることが多いですが、
場合によっては、
長期間、続いたり、
止まっても、またすぐ、出てしまったり、
ひどいときには、
しゃべることも、呼吸も、ままならず、
嘔吐もあり、胸に焼けるような痛みを伴うこともあります。
長引くときには、医師に相談して下さい。
何か病気が、隠れているかもしれません。
目次
①刺激を与える
②横隔膜のストレッチ
③二酸化炭素の濃度を、高める
④「だいずー」と答える
⑤逆さから、水を飲む
⑥砂糖を、なめる?なめない?
⑦薬
☆けいこく
①刺激を与える
脳神経の中でも、唯一、腹部にまで到達する神経「迷走神経」(めいそうしんけい、vagus nerve)を、刺激します。
耳の奥には、脳からお腹の臓器へと繋がる「迷走神経」があり、
この迷走神経に、刺激を与えることで、しゃっくりが止まることがあります。
方法 | 指を、両方の耳の穴に入れて、 強めに、30秒~60秒ほど、押さえる。 |
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ポイント | 少し痛いくらい、強めに押さえる。 |
成功率 | 臨床実験で、およそ70% |
注意事項 | (※呼吸器、循環器に疾患のある方は、自己判断でこの方法を実践しないで下さい) |
その他の方法 | ・鼻の穴から、何かを入れて、鼻の奥を刺激する。 ・口から、何かを入れて、のどを刺激する。 ・舌を、30秒ほど、強く引っ張る。 |
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他にも、
- びっくりする
- 目を、こする
- 鼻を、つまむ
- つばを、飲む
- 冷たい水を、飲む
- レモン汁を、飲む
- お酢を、飲む
- くすぐる
- 背中を叩いてもらう
など、とにかく刺激を与えます。
くれぐれも、やりすぎないように。
②横隔膜のストレッチ
横隔膜に、正常な動きを、覚えこませます。
横隔膜を、
ゆっくりと、限界まで、下げ、
止め、
ゆっくりと、限界まで、上げる。
方法 | 風船をイメージして、 ゆっくりと、限界まで、息を吸い(およそ10秒)、 息を止め(およそ10秒)、 ゆっくりと、限界まで、息を吐く(およそ10秒)。 |
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ポイント | 少し苦しいくらい、限界まで、息を吸う。 |
一度、コツをつかんでしまえば、ほとんどのしゃっくりを止めることができます。
人目も気にせずに、行えるので、おすすめです。
③二酸化炭素の濃度を、高める
血液中の二酸化炭素の濃度を、高めます。
呼吸中枢は、血液中の二酸化炭素の濃度の影響を受けますので、
呼吸中枢の異常「しゃっくり」が止まることがあります。
- 紙袋を口に当てて、呼吸する
など
④「だいずー」と答える
他の人「豆腐の原料は?」
しゃっくりの人「だいずー」
…これで、しゃっくりが止まるそうです(笑)
理由は、分かっていませんが、
- 質問形式にすること、
- 「ずー」と、長めに答えることが、
ポイントだそうです。
くだらない…とばかり、思っていましたが、
意外と効果があるそうなので、載せることにしました。
⑤逆さから、水を飲む
コップの手前…ではなく、その向こう側に、
コップを、からだ全体で、おおうように、前かがみになって、口をつけ、
逆さから、水を飲みます。
やってみると、けっこう難しいです(笑)
止まりませんでしたが…。
⑥砂糖を、なめる?なめない?
- 砂糖を、なめる
- 砂糖を、なめずに、飲み込む
…と、しゃっくりが止まるそうです。
スプーン一杯が、目安。
「とにかく、砂糖!」
…という意見が多いので、試してみる価値があるかもしれません。
原理は、なぞです…。
⑦薬
- クロルプロマジンなどの「精神安定剤」
- クロナゼパムなどの「抗痙攣・発作薬」
- メトクロプラミドなどの「消化管機能改善薬」
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などの「漢方薬」
など
特に、柿蒂湯(していとう)という「漢方薬」は、
しゃっくりを止めるのに一番効果のあるお薬です。
・柿のへた、柿蒂湯
柿のへた(柿蒂、してい)、5~10g(柿、5~10個分)を、刻み、
水、300ccを、加え、
水が、半分になるまで、煮出しします。
この煎じ汁を、温かいうちに、服用して下さい。
しゃっくりは、もちろん、嘔吐(おうと)などにも、効果があります。
ショウガなどの薬味を入れると、飲みやすいですよ^^
(※比較的、安全性の高いお薬ですが、まれに、発疹やかゆみなどの副作用を伴う場合がございます)
☆けいこく
⑦薬以外の方法で、しゃっくりが止まらないのでしたら、何か病気が、隠れているかもしれません。
「しゃっくり」ではなく、「しゃっくりの原因となっている病気」を、見つけ出し、改善して下さい。
以上、『しゃっくりを止める方法』でした。
それでは、お大事に。
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