方位・方角とは、ある地点での方向を、東西南北で表したものです。
一つの方角が決まれば、すべての方角が決まります。
一つの方角が分かれば、すべての方角が分かるということです。
目次
方位磁石を利用する
現在の時刻と太陽の方向を利用する
パラボラアンテナの向きを利用する
方位・方角を調べる方法①「方位磁石を利用する」
方位磁石(方位磁針|磁気コンパス、magnetic compass、マグネティック・コンパス|磁気-羅針盤、じき-らしんばん)とは、
磁石を、支持針の上に乗せたり、水に浮かべたもので、
方位・方角を調べるための道具です。
地球は、
北がS極、
南がN極の、
大きな磁石です。
方位磁石は、
北のS極にひかれて、N極が北を、
南のN極にひかれて、S極が南を、
指します。
一つの方角が決まれば、すべての方角が決まりますので、
これで、すべての方角が分かるということです。
地点や時間によって、誤差が出ます。
「国土地理院 地磁気測量」
方位磁石のN極・S極は、真北・真南を指しているわけではありません。
地図上の北・南(真北・真南)とは、ある程度、ズレているのです。
このズレ・偏りを、偏角(へんかく、declination)といい、
方位磁石のN極が、
- 東に、偏っている場合を、「偏東」(東偏)
- 西に、偏っている場合を、「偏西」(西偏)
と言います。
例えば、
- 日本最東端の島、南鳥島(みなみとりしま)は、「偏東 0.20度」
- 日本の首都、東京は、「偏西 7.00度」
- 北方領土を除けば日本最北端の地、宗谷岬(そうやみさき)は、「偏西 10.00度」
です。
(※2010.0年値です。日本の偏角の分布は、「磁気図」および「磁気偏角一覧図」に記載されています)
方位磁石の指す方向が、真北・真南とズレていることは、古くから知られており、
コロンブスが大西洋を横断して、アメリカ大陸を発見したときも、偏角が場所場所で異なることを、彼自身が記録しています。
また、地球の磁気「地磁気」(ちじき、geomagnetism)、地球の磁場「地球磁場」(ちきゅうじば、geomagnetic field)は、時間によっても変化します。
1日周期で、規則的な変化を繰り返しています。
また、長期にわたって、ゆっくりと変化しています(永年変化、secular variation)。
いずれにしても、
「正確に、方角を知ることは、難しい」
ということです。
方位・方角を調べる方法②「現在の時刻と、太陽の方向を利用する」
太陽は、
- およそ6時に、東から昇り、
- およそ12時に、南を通って、
- およそ18時に、西へ沈みます。
これだけ知っておけば、簡単に、方位・方角を調べることができます。
例えば、
9時だと、太陽の方向が、南東の方角ということになりますし、
15時だと、太陽の方向が、南西の方角ということになります。
一つの方角が決まれば、すべての方角が決まりますので、
これで、すべての方角が分かるということです。
地点や季節によって、誤差が出ます。
この方法は、12時に、太陽が真南に位置する(南中する)ことを前提としております。
- 兵庫県明石市が、基準で、また、
- 季節によって、10分前後の誤差があります。
例えば、
北海道札幌市では、11時30分~11時40分頃に、南中しますし、
沖縄県那覇市では、12時30分~12時40分頃に、南中します。
では、地点や季節によって、どの程度、方角の誤差が出るのでしょうか?
太陽が、180度を、12時間で、移動するとして、
180度 ÷ 12時間 = 15(度/時)
太陽は、15度を、1時間で、移動します。
1時間は、60分なので、
15(度/時) ÷ 60分 = 0.25(度/分)
太陽は、0.25度を、1分で、移動します。
地点や季節によって、最大で、40分の誤差があるとして、
0.25(度/分) × 40分 = 10度
地点や季節によって、最大で、10度の誤差があることになります。
方角の誤差を、地点や時間、季節を無視して、大ざっぱにみると、最大で、およそ10度。
精度は、方位磁石を利用するときと、たいして変わりません。
方位・方角を調べる方法③「パラボラアンテナの向きを利用する」
「パラボラアンテナ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)
衛星放送を受信するためのお皿型のアンテナ「パラボラアンテナ」は、
放送衛星(BS)や通信衛星(CS)の方位・方角、つまり、南南西~南西に向いています。
14時~15時頃の太陽の方向です。
パラボラアンテナの方向調整は、±1度以内の角度で調整することになっていますので、向きは正確です。
BSやCSは、地球の自転に同期させた「同期衛星」、地上からは静止して見える「静止衛星」ですので、向きは変わりません。
障害物があると、電波が遮られて、受信できないので、障害物がありません。
外からでも、見えます。
向きが、分かります。
つまり、パラボラアンテナは言わば、「民家に取り付けられた方位磁石」だということです。
一つの方角が決まれば、すべての方角が決まりますので、
これで、すべての方角が分かります。
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