この方法を実践すれば、
- 冬なら、10~14日
- 春・秋なら、7日~10日
- 夏でも、4~7日
くらいは、生け花、切り花が楽しめます。
目次
1. よくある微妙な方法
目次
①洗剤・漂白剤を入れる
洗剤・漂白剤の抗菌作用を期待してのことですが、
たいていの場合、濃すぎて失敗します。
大きな花瓶に、1滴が目安なので、
普通に、入れてしまうと、花が枯れてしまいます。
入れるとしても、水でよく薄めてからにしましょう。
②酢を入れる
洗剤・漂白剤と同じです。
酢の抗菌作用を期待してのことですが、
やはり、濃すぎて失敗します。
入れるとしても、数滴で十分。
③10円玉を入れる
銅イオンの抗菌作用を期待してのことですが、
こちらは逆に、薄すぎて失敗します。
何枚も、入れないといけません。
また、金属が入るので、それなりに花瓶に傷がつくことは覚悟の上で。
④砂糖を入れる
たしかに、花の栄養にはなりますが、
その分バクテリア、バイキンも増えます。
そのため、
他の抗菌作用のあるものと併用しないと×
栄養不足で、つぼみが咲きにくいときなどに、
試してみる価値はあり。
⑤サイダーを入れる
①②③と同じで、炭酸水は、抗菌作用があります。
④砂糖と同じで、花の栄養にもなります。
つまり、⑥延命剤(以下で詳しく)のような効果があります。
ですが、炭酸が強すぎても、弱すぎてもダメなので、
バランスをとるのが難しいです。
少し、気の抜けた状態がベスト。
⑥延命剤
延命剤は、
①②③抗菌作用のあるものと、
④花の栄養のあるものの、
2つで、できています。
延命剤の商品説明には「水換え不要」なんて書いてありますが、信用してはいけません。
栄養は、バイキンの栄養にもなります。
①②③抗菌作用と併用した④砂糖水、⑤サイダーも同じです。
お花のために、ちゃんと水を換えてあげましょう。
もちろん、延命剤自体は○
2. 切り花を長持ちさせる方法
目次
①葉やつぼみを、適度に取る
②花粉を取る
③枯れた部分を取る
④切り口部分を、切り落とす
⑤きれいな水に活ける
⑥切り花を飾ろう!
①葉やつぼみを、適度に取る ~水と栄養のバランスを考える~
「サクラ」
- 日本の春を象徴する花
- サクラ全般の花言葉は、「精神の美」「優美な女性」
「吸う水 = 出る水」
「作る栄養 = 使う栄養」
のバランスを考えましょう。
根のない花は、本来吸いたい水の量を、吸うことができません。
すべての葉がついたままだと、吸う水の量より、出る水の量の方が、多くなってしまいます。
「吸う水 < 出る水」
こうなると、花の水分が抜けやすく、当然、お花も枯れやすくなってしまいます。
ところが、一方で、
根のない花は、本来摂りたい栄養を、十分に摂ることができません。
葉のない花は、本来行いたい光合成を、十分に行うことができません。
葉を取りすぎると、今度は「栄養」のバランスが悪くなってしまうということです。
適度にとってあげるといいですね。
ついでに、咲かせることのできないような、小さなつぼみも、取ってあげましょう。
たくさんつぼみがついていると、
全部咲かせる栄養がないから、全部咲かせることができない、
何てことが起こってしまいます。
他にも、栄養不足、栄養の分散を避けるために、必要に応じて、取ってあげましょう。
こうすることで、
「吸う水 = 出る水」
「作る栄養 = 使う栄養」
のバランスを取ることができます。
ちなみに、葉の裏側に、霧吹きで、水を吹きかけることで、
「吸う水」の量を、一時的に、増やすことができます。
ただし、くれぐれも、花びらには、水をかけないように。
花びらは、水がかかるとシミになったり、腐りやすくなります。
②花粉を取る ~役目を終えた花は、枯れる~
「マドンナリリー」
- 純潔の象徴
- ユリ全般の花言葉は、「純粋」「無垢」「威厳」
花の役割は、子孫、つまり、タネを残すことです。
タネを残すためには、受粉をする必要があります。
受粉をするためには、めしべに花粉をつける必要があります。
めしべに花粉がついたら、子孫、タネができる。
タネをつけることができれば、花の存在は、花にとってはいらない。
めしべに花粉がついたら、花は役目を終える。
めしべに花粉がついたら、花が枯れるということです。
(ハイビスカス・朝顔など、もともと、1日しか咲かない花もありますが…)
花粉が取れるなら、早く取ってしまった方がいいです。
ユリの仲間など、花粉汚れの気になる花は、花屋さんで、すでに取ってあることが多いですが、
たいていは、まだ残っています。
花が咲いたときには、まだ花粉は開いていませんので、
花粉が飛ばないうちに、花粉部分をつまんで取ってしまいましょう。
③枯れた部分を取る ~老化は、連鎖する~
「キク」
- 日本の秋を象徴する花
- キク全般の花言葉は、「高貴」「高潔」「高尚」
枯れた花や、熟した実からは、エチレンガス、老化ホルモンが出ます。
このホルモンが、若い花を枯らし、栄養をタネにまわします。
熟した野菜や果物が、未熟果を完熟させるように。
「朱に交われば赤くなる」ということです。
花を楽しみたいなら、老化ガスはない方がいい。
終わった花は、どんどん摘み取ってしまいましょう。
④切り口部分を、切り落とす ~「深水」「湯揚げ」「水切り」~
「カンツバキ」
- 春咲きツバキと秋咲きサザンカの交雑種
- ツバキ全般の花言葉は、「控えめな優しさ」「誇り」
- 茎を深く、水に、1時間ほどつける「深水」(ふかみず)
- 茎の下部を、沸騰している湯に、20~30秒ほど浸す「湯揚げ」(ゆあげ)
- 花がよく水を吸うように、深い水の中で切る「水切り」(みずきり)「水揚げ」(みずあげ)
以上の手順を踏むのが、本来は望ましいのですが、
そこまではしなくてもいいので、せめて…
切り口部分を、
- 5mm~1cm程度、切り落とし(水の中で切る必要はありません)、
- 火で、さっと焼く、あるいは、
熱湯に、10秒程度、浸す。
これだけで、お花が長持ちします!
花屋さんが「水切り」をしてから、時間が経つと、切り口が乾いてしまいます。
切り口が乾くと、水を運ぶ管(くだ)が詰まり、水がもれないかわりに水を吸うこともできません。
茎を一度、切り直すのは、そのためです。
ポイントは、
- バイキンが入らないようにすること
- 水を運ぶ管をつぶさないようにすること
- 水と管の接する面を大きくすること
この3つです。
- バイキンが入らないように、キレイなハサミで切ってあげましょう
- 水を運ぶ管をつぶさないように、切れ味のいいハサミで切ってあげましょう
- 水と管の接する面を大きくするために、斜めに切ってあげましょう
これで、水の吸い上げが良くなります。
また、火で焼いたり、熱湯に浸すのは、
茎の中の空気を追い出して、水揚げをよくするためです。
花の部分が湯気に当たると、悪くなってしまうので、
湯気には当たらないように、注意しましょうね。
⑤きれいな水に活ける ~基本は、水です~
「カーネーション」
- 赤いカーネーションは「母への愛」を、ピンクのカーネーションは「女性への愛」を、白いカーネーションは「亡き母への愛」を
- カーネーション全般の花言葉は、「無垢で深い愛」
きれいな水に、活けましょう。
花瓶の花がいたむのは、水が腐ることに大きく影響します。
これは、切り花を長持ちさせるための、最も基本的な管理です。
そして、きれいな水を保つためには、定期的に、水を交換してあげましょう。
2、3日に、一回、
できれば、毎日、
水を交換してあげましょう。
このときに、花瓶はもちろん、水につかっていた部分の茎も、よく洗って、ぬめりを落とします。
ついでに、「④切り口部分を、切り落とす」の作業を、繰り返し行なっておくことが、望ましいです。
変色している部分があるときには、そこは、すでに腐ってしまっていますので、その部分を目安にします。
水につける部分は、基本は、3~5cm程度。
浅くつけておくだけで十分です。
花は、呼吸をしています。
水につかった部分は、呼吸ができません。
水が多いと、その部分が、早くダメになってしまうのです。
このとき、水につかる部分の葉は、すべて取り除きます。
葉や毛が水につかると、その部分から腐ってしまうからです。
しかし、これには、例外があります。
枝物(えだもの)・木物(きもの)、菊の仲間(特に、一本の茎に一輪の花を咲かせる「輪菊」)です。
これらの種は、水の吸い上げが激しいため、少ない水では、水切れを起こしてしまうんですね。
⑥切り花を飾ろう! ~高温・多湿は避よう~
「バラ」
- 愛と美の象徴
- バラ全般の花言葉は、「愛」「美」
玄関など、冷暗所(気温が低く、直射日光の当たらない所)に、置きましょう。
気温が高いと、細菌が増えやすくなります。
日当たりが良すぎるのも、NGです。
リビングなど、暖かく明るい場所では、早く枯れることを承知の上で。
終わりに
以上の方法を実践すれば、
- 冬なら、10~14日
- 春・秋なら、7日~10日
- 夏でも、4~7日
くらいは、生け花、切り花が楽しめると思います。
ぜひ、実践なさってくださいね♪
コメント
お〜〜〜わかりやすっ