蚊は、伝染病を、媒介します。
ウイルスによる脳炎「日本脳炎」(にほんのうえん|Japanese encephalitis)。
「豚など」によって、ウイルスが増殖され、刺した「蚊」が、「人」を刺すことによって、感染します。
「豚など → 蚊 → 人」
発症率は、0.1~1%、
致死率は、およそ20%、
半数以上は、脳に障害が残り、麻痺などの重い後遺症に苦しめられます。
地球温暖化の影響で、範囲が広くなってきています。
蚊対策して下さい。
目次
1. 蚊とは
「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず」
まずは、敵について、知りましょう。
目次
①大きさ
②飛行能力、飛翔能力
③行動範囲
④エサ、食べ物
⑤吸血
⑥産卵
⑦ライフサイクル
①大きさ
蚊の大きさは、様々ですが、
そのほとんどは、15mm以下です。
②飛行能力、飛翔能力
蚊の飛行能力は、低く、
エアコン、扇風機といった、わずかな風によって、飛行障害を起こしてしまいます。
③行動範囲
蚊の行動範囲は、様々で、
1日で、○○m~○○kmと、種類によって、大きな幅があります。
④エサ、食べ物
蚊のエサは、オスもメスも、
花の蜜や、樹液など、糖質を含む液体です。
⑤吸血
目次
・主体
吸血の主体は、メスだけで、オスは吸血しません。
蚊が吸血を行うのは、卵を成熟させるために必要な、タンパク質を得るためで、
その必要のない種類にあっては、メスであっても、吸血を行いません。
・客体
吸血の客体は、私たち人間や、哺乳類、鳥類ですが、
爬虫類や、両生類、魚類から、吸血する種類もあります。
・気温
15℃以上で、吸血活動を始め、
26℃~31℃で、最も盛んに吸血活動を行います。
逆に、15℃を下回ったり、35℃を越えるようなことがあると、
通常の活動期間内であっても、物陰や落ち葉の下などで、じっとして動かなくなります。
・流れ
まず、皮膚に止まって、吸血しやすい場所を探します。
…数秒~数十秒…
次に、皮膚に、毛細血管に、突き刺し、
吸血を容易にする「唾液」を注入し、吸血に入ります。
吸血時間は、蚊の種類や、吸血状態によって、異なりますが、
アカイエカ、ヒトスジシマカが、未吸血状態であるとすると、2~3分、およそ2mgで、満腹になります。
ですが、満腹になるまで、吸血することは、めずらしく、
動いたり、発見されたため、途中で吸血を中断し、逃走するなどを繰り返し、
およそ1mgで満足して、産卵に備えるようです。
・かゆみ
蚊の唾液は、本来、吸引した血液とともに、蚊の体内に戻されます。
ところが、何らかの理由で、吸引を中断し、飛び立った場合、
蚊の唾液が、体内に残り、
アレルギー反応を、引き起こし、
血管拡張など、かゆみを生じさせます。
⑥産卵
満腹、あるいは、産卵に必要な血液を摂取したメスは、
3~5日で、水際あるいは水面に、産卵します。
この間、吸血は、行いません。
そして、産卵後、1週間以内に、再び吸血し、再び産卵します。
産卵回数は、個体によって大きく異なりますが、4、5回程度です。
なお、産みつけられた卵や幼虫は、産卵誘因フェロモンを放出しており、
卵や幼虫がいる水ほど、他の蚊が産卵しやすいです。
⑦ライフサイクル
蚊のライフサイクルは、
「卵 → 幼虫(ボウフラ) → 蛹 → 成虫(カ)」
卵から蛹までの期間は、種類や温度によって、大きく異なります。
例えば、イエカは、
20℃の環境では、14日ですが、
25℃の環境では、10日です。
なお、幼虫(ボウフラ)は、環境の変化に弱く、
水質が変化したり、水がなくなったりすると、生活できません。
2. 蚊に刺されやすい人、蚊に刺されにくい人
目次
①血液型
よく、蚊に刺されやすい血液型と、蚊に刺されにくい血液型があると言われていますが、
「血液型と性格の関係」と同じで、科学的根拠はなく、
蚊の吸血行動に影響を与えそうな血液型由来の物質も、現在のところ、発見されていません。
②体質
蚊は、
- 温度の高い所へ、
- 湿度などの高い所へ、
- 二酸化炭素の濃度の高い所へ、
向かう習性があります。
血を吸う相手を、探しているのです。
そのため、
- 体温が高く、
- 発汗量が多く、
- 呼吸回数の多い、
新陳代謝の激しい人は、蚊に刺されやすいです。
また、足のにおいを好み、足の方に集中する習性があります。
ちなみに、化粧品や香水には、蚊を引き寄せる成分が含まれていることがあります。
③色
蚊の色覚は、白黒の2色。
主に、濃い色を好みます。
つまり、白系よりも、黒系の服を着ている方が、蚊に刺されやすいと言えます。
3. 蚊対策
目次
①水たまり
②網戸、出入り
③蚊取り線香
④虫よけスプレー
⑤音波・超音波
⑥攻撃
⑦虫刺され
①水たまり
蚊は、水たまりから、発生します。
くみ置きの水など、水たまりを、なくしましょう。
ベランダの排水管の中など、どうしても水がたまってしまう場合には、
週に1回は、清掃や水の交換をして下さい。
(ボウフラでいる期間は、10日ほどです)
屋外の池には、小型の魚を飼って、食べさせてあげるのもいいかもしれません。
(ボウフラの天敵です)
雨の後の、晴れた日に、蚊は、産卵しやすくなるので、注意しましょう。
②網戸、出入り
「網戸(あみど)をしていても、蚊が入ってくる」と思われる方が多いですが、
実は、網戸に穴が空いていたり、よれていない限り、蚊は侵入できないんです。
網目(あみめ)は、一般的なタイプで、およそ1.2mm。
蚊は、代表的な体長で、3mm以上。
つまり、蚊は、網目を抜けることができないんです。
では、なぜ、網戸をしていても、家で刺されることが多いのでしょうか?
…まず、中途半端に開いた、「窓と窓のすり合わせの隙間」から、蚊は侵入します。
部屋の温度調節のためか、窓を半開きにする方が多いですが、
実は、その「隙間」から、蚊は侵入していたのです。
…また、人の出入りを狙って、蚊は侵入します。
帰宅時や、洗濯物の出し入れのときに、
人や、服や、買いもの袋、洗濯物に、ピッタリとくっついて。
蚊は通常、建物の3階以上まではこないと言われていますが、
上までくることも、十分に考えられます。
つまり、蚊は、網目を抜けることはできないですが、
網戸、出入りには、注意が必要なんです。
③蚊取り線香
THE 蚊対策。
蚊取り線香は、「白花虫除菊」(しろばなむしよけぎく|除虫菊、じょちゅうぎく)の、花・茎・葉の粉末を、糊(のり)で固め、棒状・渦巻き状にしたものです。
殺虫成分は、「ピレスロイド」(pyrethroid)。
現在では、ほとんどが合成(化合物)ですが、
- 火をつけるだけの「手軽さ」
- 殺虫成分が、素早く広がる「速効性」
- 薬害などのトラブルのない「安全性」から
根強い人気です。
パワーは、負けますが、
- 持続時間が長く、かつ、
- 煙も発生しない、
ピレスロイドを電気の熱で気化させる「蚊取りマット」「蚊取りリキッド」も、言わずと知れた、定番ですよね。
④虫よけスプレー
蚊は、体温・発汗・呼吸で、人間を感知します。
虫よけスプレーの主成分「ディート」(Deet)は、蚊の感覚神経を麻痺させ、それらを感知できなくさせます。
- 忌避剤として最も効果的で、
- 効力も長持ちします。
濃度5%で、およそ90分、
濃度100%で、およそ10時間、
虫よけ効果が継続します。
日本では、最高で、濃度12%。
人によっては、アレルギーや肌荒れを起こすことがあるので、注意が必要です。
海外では、濃度80%以上のものもありますが、おすすめできないです。
濃度の低いものを、繰り返し、スプレーしてあげると、いいでしょう。
いずれにしても、小さいお子さんには、影響が大きいので、
使いすぎないよう、説明をよく読んで、使用して下さい。
夏場など、日焼け止めと併用する場合には、
日焼け止めを、最初に塗り、
その上に、スプレーしてあげて下さい。
蚊は、足のにおいを好み、足の方に集中する習性があるので、
足には、念入りに、使用しましょう。
蚊に接する機会から離れた後は、速やかに洗い落としましょうね。
⑤音波・超音波
音波・超音波で、蚊をよけるグッズは、
2007年11月20日、公正取引委員会により、
「全く効果がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たる」として、
排除命令が出ています。
⑥攻撃
刺されているのに、気づいたときこそ、冷静に。
叩きつぶすと、蚊の「唾液」が、体内に流れ込んでしまいます。
弾き飛ばして、かゆみを減らしましょう!
でこぴんが、おすすめです。
吸血中に発見するなどして、逃走された場合、
産卵に必要な血液を摂取していなければ、すぐに吸血行動に移ることが多いので、注意しましょうね。
血を吸い終われば、蚊に「唾液」が戻りますので、
吸い終わるまで、気長に待ってみるのも、ありかもしれません。
その場合は、くれぐれも、逃げられないように。
⑦虫刺され
蚊に刺されたときの、かゆみやはれの正体は、
蚊の唾液によって起こる、アレルギー性の皮膚炎です。
蚊の唾液に対する、アレルギー反応には、
(1)蚊に刺された直後、およそ15分以内に起こる、「即時型」と、
(2)蚊に刺されてから、1日~2日後に起こる、「遅延型」の2種類があって、
年をとり、蚊に刺される回数が多くなるにつれて、
少ない
↑
乳児~幼児:「遅延型」のみ
小学生頃:「即時型」と「遅延型」
青年期以降:「即時型」のみ
シニア世代:無反応
↓
多い
と、最後には、刺されても、何の反応もなくなります。
子供は、強い「遅延型」を起こすことが多く、
体温が高いことから、蚊に刺されやすいので、注意が必要です。
また、ごくまれに、アレルギーが重篤化し、全身に蕁麻疹(じんましん)が出たり、発熱などの重い症状を引き起こすことがあります。
・虫刺されの薬
虫刺されの薬には、
(1)「即時型」に適した、抗ヒスタミン剤など、「かゆみを抑えるもの」と、
(2)「遅延型」に適した、ステロイド剤など、「炎症を抑えるもの」の、
2種類があります。
アレルギーのタイプによって、選ぶべき薬が異なりますので、
自分のアレルギーに合わせた薬を、選ぶようにしましょう。
☆おすすめ
絆創膏(ばんそうこう)が、おすすめです。
赤みが広がらずに、治まってくれます。
刺されたところに、貼りつけちゃって下さい。
おしまい
コメント